人生は数字だけじゃねえよな。
かつての私は「お金があれば大体のことは実現できる」と考えていました。
将来に備えて資金を残しておけば老後は安泰であり、途中で有事が生じても対応可能である――そのように20年ほど信じていたのです。
いわゆる倹約家の発想です。

確かに、この考え方が誤りであるとは言い切れません。
しかし一方で、近年になって「今」お金を使うことの大切さを学ぶ機会がありました。
その契機となったのが、ゲームセンターでの経験です。具体的には、最近遊び始めた湾岸ミッドナイトというアーケードゲームであります。
ゲームシステムと費用構造
一般的なアーケードゲームは1回100円で遊ぶことができます。

湾岸ミッドナイトにおいては、プレイを重ねることで車両データを強化でき、最大まで強化するためには80回のプレイ、すなわち8,000円が必要となります。
高額か否かの判断は人それぞれでありますが、端的に言えば「フル強化には初期費用として8,000円を要する趣味」と言えるでしょう。
ここで多くの人が考えるのは「より安く済ませる方法はないか」という点です。
実際、一部の店舗では2回100円で遊ぶことができ、同じ強化を4,000円で達成可能であります。理屈の上では「安い方を選べば良い」という結論になります。

しかし、事はそれほど単純ではありませんでした。
安さの裏に潜む要素
第一に、対象店舗が限られる点であります。すべてのゲームセンターが2回100円を導入しているわけではなく、経営上の戦略として一部の店舗がサービスを提供しているに過ぎないのです。
第二に、移動コストの問題があります。対象店舗が遠方にある場合、交通費や移動時間といった追加的負担が発生します。それを負担してでも安さを選ぶか、あるいは近隣店舗で通常価格を受け入れるかは、個々の判断となるでしょう。
第三に、環境リスクの存在です。安さゆえに利用者が集中しやすく、結果として混雑やマナーの悪い利用者が増加する可能性があります。必ずしも治安が悪化するとは限りませんが、快適さが損なわれる環境に直面する確率は高くなると言えます。

以上を踏まえると、同じ「強化済みの車」を得る場合でも、
• 安価だが環境が悪化している+ 移動負担が大きい可能性がある
• 高価だが快適に遊べる
といった選択肢が生じます。

重要なのは、「安いから価値がある」という単一の基準ではなく、その過程や環境も含めて価値として考える必要があるということです。
結論としては、金銭的コストだけではなく、移動・時間・快適さといった要素を考慮することになります。このような考え方を知り、最終的な納得感や幸福感を得ることができると、いうことを実感できました。

皆さんも勢いで買ったりするのではなく、身近なお金の使い方を確認してみて、納得した上で買っているということを感じてみて欲しいです。